日当たりを大切に、家族の繋がりを考えた空間づくり
温水式床暖房・造作家具・鉄骨階段等をカスタマイズ
埼玉県ふじみ野市の閑静な住宅街にある、分譲地の一区画に建てられたデザイン住宅です。この地域は良好な住宅環境を守るために地区計画が定められています。住宅を設計していく上で大切な事として、お客様のご要望だけでなく、この住宅が街の雰囲気をこわさないように注意してボリュームやデザインを決定していきました。
ご要望として「冬は日光が入り暖かく、夏は風通しがよくて涼しい住宅」という住環境面に加えて、家族がリビングに集うような計画を求められました。敷地は分譲地であるため、単純にリビングを外に開くとプライバシーが確保できず、昼間・夜間共にカーテンなどを閉めてプライバシーの確保をするようになります。
そこで、リビングやその他の居室の配置を何パターンも検証し、プランをL型としました。L型配置と目隠壁は木製ルーバーを採用し、床はグレーチングをしたことで風を通し、光を心地よく室内に届けてくれます。テラスとリビングを合わせた広土は16帖にもなり、実際の広土より広がりを感じることができます。
2階リビングプランの場合、リビングと1階の個室とが分断されてしまうことが、家族とのかかわりにおいて少し問題となるため、玄関とその上部にある和室を高さ方向にずらすスキッププアを利用する事で隙間をつくり、1階と2階を結びつけるよう設計しました。家族が玄関ドアを開けると、2階のキッチンからわかるようになっています。このような小さい驚きや、心づかいも建築家ならではの住宅設計だと思いませんか。
この住宅を見学した方々からは建築工事費が2,000万円後半だと思われていますが、実際は1,000万円後半のローコスト住宅だと知って皆さん驚かれます。ローコストでも「高品質なデザイン住宅はつくれる」という良い見本になりました。