空間を構成する大切な要素として「床・壁・天井・開口部」が挙げられます。これらの部位にどの様な素材を使用するかで空間の雰囲気が大きく変わります。また、見かけだけでなく住み心地にも大きく係りますので、 慎重に選択したいところです。
まず、床についてですが人間は重力に逆らえないので一番体に接する時間が長くなります。空間に与える影響も壁・天井に比べると素材の色彩や質感が伝わりやすい部位になります。
床に使用する材料は、フローリング・タイル・石・カーペット・クッションフロアなどが挙げられますが、リビングなどの居室に一番使われものはフローリングになります。フローリングにも合板にプリントされたフローリングや合板に無垢の単板材を貼ったもの、無垢材などがあります。
1010houseが採用しているのは無垢材を標準仕様として、床暖房の採用に応じて単板貼りのフローリングとしています。無垢フローリングの良さは何と言っても質感・肌触りになります。色ムラが良い味となって空間を彩ります。塗料も重要でポリウレタン塗料の様に固く傷が付き難い塗装をすると、材木本来の肌触りは無くなります。
1010houseではメンテナンスも必要ですがオイル系の自然塗料を採用しています。オイル系の塗料は肌触りを損なうことが少なく、仕上りも自然になります。無垢材の欠点は季節による伸び縮みがおこり、冬季に2㎜程度隙間がでることがあります。これは材の特性ですので防ぐことは出来ません。これも自然素材の良さとして認めることが必要になります。
壁の仕上げは、空間の広がりを見せる上で大切になります。使用する素材はビニールクロス、紙クロス、木板、珪藻土、漆喰、塗装などかなり種類があります。使用面積は広くなりますので使用する材料によってコストは大きく変動します。
標準としてはビニールクロスを使用することが多いですが、ご要望、建築家からの提案により木板や珪藻土など自由に採用されています。空間的なアクセントとして使用する場合はコスト増も少なくなりますので積極的に採用したいところです。
室内環境を良くすることを狙って珪藻土や漆喰のご要望も多いですが、短所であるひび割れを減らすために樹脂分を増やしている商品も多いので、 環境優先の場合はひび割れを許容して成分を重視する必要があります。風合いを楽しむ場合はひび割れが軽減できる物の採用も考えます。当然、コストも安くなります。
天井の仕上げは、壁と同様色々ありますが平らな天井や勾配天井なのかにもよっても異なります。勾配に沿って方向性を出す場合は細い木板を勾配に平行に貼ったりも出来ます。また、構造材を見せることでデザインの方向性を見せることも出来ます。木材の使用面積の比率が高くなると空間の雰囲気は柔らかくなりますが、思い描いた空間とは異なることもございますので内観パースやイメージ写真を利用し設計者・お客様のイメージを共有することが大切になります。素材の採用についてそれぞれの材料には長所・短所があります。どの材料を採用する場合でも設計者・施工者から説明を受け理解しておく必要があります。